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2014年4月 7日 (月)

Elite: 第三章 Circumstances

その夜・・・アレックスたちはいつものようにいとこスーザンの家で夕餉を囲んでいた。スーザンのサロンは、番組収録という、拘束時間の長い大きな仕事を得た為、時間単価にすると安く値切られたものの宣伝効果を見込めるようになったし、それなりにまとまった売上を得た。しかもその期間は利用者対応の必要がないので、スーザンも開業当初より時間に余裕が持てていた。

マ「いよいよ明日から旅行か・・・レイノルズ家にとって初めての家族旅行。きっと楽しいわね。」

スーザン一家は明日から一週間、フロリダにあるディズニーワールドに行く。上記のように、スーザンに時間的余裕ができたことから、急遽決めたのだった。スーザンは新婚旅行以来久しぶりにNYを離れる。アンジーにとって、祖父母宅以外への初めてのお泊りだ。双子は生後半年を迎えたところ。遠路連れ出すことに心配はあるものの、折角の機会だからと旅行を決めたのだ。何といってもファミリーリゾートの定番。赤ちゃん連れにも居心地がよく、シッターやチャイルドケアが充実していることもポイントが高い。それぞれのパークには救護室もあるので、いざという時駆け込むこともできる。

ス「そうね。お天気もいいようだし。」

アン「シンデレラとご飯食べるの・・・楽しみ。」アンジーはキャラクターブレックファストをとても楽しみにしている。

サ「ちゃんとサインをもらってくるのよ。」

エ「サラのご実家はパークのすぐそばだから、何回も行ってるんでしょ?」

サ「浦安では無いわ。あまりに近すぎて・・・そういえば小学生の頃、LAのディズニーランドへ旅行して、一度行ったかな。」そういいながらも、LAでキャラクターブレックファストを楽しんだ際、サラはしっかりサイン帳を用意し、キャラクターたちにサインをねだったものだった。そのサイン帳をアンジーに見せ、ミッキー、ドナルドなど、キャラクターの名前を熱心に教えたものだ。

ス「ご実家っていえば・・・ちょうど私たちが戻ってくる頃、お母様と弟さんがLAに来るんでしょ。そして、近々、夏休み中にこっちに顔出してくれるとかって言ってたわよね。」

サ「それが事情が変わって・・・」サラは夕方知った事件のことを話した。

ア「あの被害者の後任に、サラのお父様が就くわけ?・・・そういえば同じ会社だったわね。」

サ「どうやらそうらしいです・・・急にNY転勤になったって言われたって母からさっき電話があって・・・父は明日にもこっちへ来るようです。今日は仕事を途中で切り上げて、会社が引っ越し業者をよこしてきて、今、懸命に荷物まとめているとか・・・・・まあ三ヶ月しか住んでないのが幸いで、あまり荷物無いようですけど。でも母は引越荷物の宛先変更やらなにやらで今からてんやわんやみたいです。」

ア「NYじゃなくてNJね。ミッドタウンにヘッドオフィスがあるけど、隣接3州の何箇所かにも、工場含めて大きなビジネス拠点を持ってる。その中の一箇所の所長さんよね。」

サ「そういえばこの前、5月に父が出張で来たのも、NYとNJの両方って言ってました・・・NJには事務所と工場があるんだよって。」

ア「それにしても今回の被害者・・・NJで働いているのにNYのホテルにステイなんて贅沢ね・・・車で一時間程度のはずよ。近いとはいえないけど、毎日のことではない、たまに会議でミッドタウンに来る程度ならそう遠いともいえないわよ。」

サ「そういえばそうですよね・・・会社のことってよくわからないけど。」

マ「珍しいじゃない。アレックスが被害者のことをそういう風に非難するなんて。」

ア「非難じゃないわよ。そういうことできるなんて、潤沢な会社なんだなぁって。」

エ「それよりさ・・・皆さんがこっちへ来るわけでしょ。おうちが決まるまでの間、うちに泊まってもらおうよ。」

サ「さすがにそれはまずいでしょ。やんちゃな男の子を泊めるなんて・・・それに今私は、収録のことで頭がいっぱい。とてもケントの面倒なんて見られない。あとでゲストハウスの利用をリクエストしておきますから・・・」

マ「だってケントが1人で来るわけじゃないでしょ。お母様が一緒なんだから。私たちだってコンクールの時、サラのお宅にはお世話になった。泊まらせていただいたり、練習場も手配してくださった・・・8時から5時まで練習できる環境なんて、そう無いわよ。」

サ「あの時は私についての話し合いもあったし、練習場は夏休み中の小学校の音楽室でしょ。もともと使う予定は無かったし、週末には急に決めて、小学生向けにプチリサイタルもやっていただいたんだし・・・」

マ「練習場を無償で提供していただいたんだもの。当たり前でしょ。それに、バテかけていた私に色々気を遣ってくださった・・・今回しばらく居ていただくことでおあいこよ。どうせ私はあまり料理しないんだから、キッチンを自由に使っていただいて構わない。どこにお住まいの予定なのかわからないけど、サラも今忙しいことだし、ここに暫く居てもらえばいいじゃない。」

エ「どうせならこのマンションにすればいいのに・・・」

サ「我が家のサラリーじゃ絶対無理。割とお給料のいい会社の、まあエリートな部類であることは認める。立派な人なんだと思う・・・だけど、所詮サラリーマンよ。開業医をしてるカーター先生とは全然違う。カーター家と実家でははっきり言って格差ってものがあるの。父のサラリーで住める場所じゃないわ。」

ニ「駐在員って、会社がかなり家賃を出してくれるらしいよ。製薬会社の駐在の人がそう言ってた。だから、日本ではとても自腹で買えないようないい物件を選ぶらしいよ。会社側も・・・日本人は狙われやすいから、安全のためにお金出すんだって聞いてる。」

サ「昔よく聞いたのは・・・私、中高と私立女子校だったでしょ。物心ついたころにこっちに住んでた帰国子女が同級生に何人かいました。だいたい、今の弟くらいの年齢で住んでた子たち・・・そういうご家族って、ウェストチェスターあたりで、いくつもベッドルームがあって、庭でバーベキューできる、そういうおうちに住んでたそうです。みんな、東京へ戻って来て、日本の家は狭くてってブーブー言ってましたよ。庭でバーベキューなんかしようものなら、ご近所さんからすぐクレームきちゃうって。確かにバーベキューってアメリカの幸せな家庭ってイメージを感じますね。

弟のためには、そういうところで暮らすのがいいんだと思います。親もたぶん、そういう風に考えているんだと思います。でも私は、今ここを離れたくない。今、引越しとかを考えたり、そういう余計なこと巻き込まれたりしたくない。今まで同様に下宿代出してもらってでもここに居たい。」

マ「あなたのご家族の問題でしょ。余計なことなんかじゃないわ。仕事に没頭したい気持ちはわかるけど、マルチタスクで同時進行で考えないと・・・ご家族のみなさんはたぶん、あなたも一緒に住むべきだって言うと思う。折角近いんだしってね。そこであなたの意見をきちんと言えないと。私たちはサラのことをサポートはするけど、決めるのはあなたとご家族でしょ。このマンションの空いてる部屋に住んでもらえれば私たちもうれしいけど、会社の事情がどうなのかとか、弟さんの学校のこととか、そういうことも考えないと住まいは決められないでしょ。」

ニ「そうだな。お父様には明日からでもうちに泊まっていただいたらどう?夜仕事から帰ってきたら、今後のサラたちのことを2人で話し合えばいいじゃないか。郊外でもマンハッタン中心部でも、いくつか住まいをリストアップして、サラが収録の無い日に内覧会に足を運んでみたらどうだい?大学へ通うにはここより遠いのはいやだとか、サラにも希望はあるでしょ。そういうのを見て回るのも社会勉強だよ。」

エ「とりあえず、まずはここのマンションからチェックしようよ。」

マ「そうね。明日朝にでも、コンシェルジェに問合せてみましょうね。」

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